Bodilab AIブログ / 開発ノート

AIボディアプリがApple審査に2回リジェクトされた話|指摘と修正の全記録

開発ノート · 2026年7月12日更新
結論

写真から体組成を推定するAIアプリが、App Store審査で2回リジェクトされました。理由はガイドライン5.1.1(iv)(カメラ許可フロー)1.4.1(健康情報に出典が無い)。通した修正は、許可ボタンを中立な「続ける」にし拒否後の自動Settings遷移を廃止、健康数値に出典ページを新設。さらに提出前監査で、プライバシーポリシーにHealthKit開示が無い隠れ要因も発見して塞ぎました。何を指摘され、何を直したかを実例で。

写真1枚で体組成を推定するBodilab AIを、個人開発で作っています。公開までにAppleから2回リジェクトされました。リジェクトは食らうまで抽象的に見えるので、具体的なガイドライン番号・指摘された実際の文言・直したコード/内容をそのまま書きます。フィットネスや健康系アプリを出す人の1サイクル分の節約になれば。

リジェクト①:5.1.1(iv) カメラ許可フロー

カメラの求め方について、具体的に2点を指摘されました。

指摘された点直した内容
事前説明のボタンが 「カメラを許可」中立な 「続ける」 に変更(Appleの指針="Continue"/"Next"を使え・"Allow"はNG)
「許可しない」を押した後に 自動でSettingsへ遷移自動遷移を全廃。恒久拒否のときだけ、ユーザー自身がタップする 「設定を開く」 を表示

原則は「許可要求はユーザーに主導権を残す・"はい"へ誘導しない」。機能が本当に動かない時にSettingsリンクを出すのは可ですが、自動遷移でなくユーザーのタップである必要があります。加えて「ライブラリから選ぶ」導線を常時併設し、カメラを拒否しても行き止まりにならないようにしました。

リジェクト②:1.4.1 健康情報に出典が無い

1.4.1は「身体的損害」。審査文はこうでした——「オンボーディングとAIコーチが、健康・医療の推奨と計算を出典なしで提供している」。オンボの体重予測、コーチのタンパク質・カロリーの助言に、出典が無かった。

対処は専用の「情報の根拠(出典)」ページ。プロフィール・オンボ(予測が出る所)・コーチの複数箇所からリンクし、アプリが使う各数値に権威ある出典を紐づけました。

アプリ内の数値出典
健康的な減量ペースNIH / NIDDK
筋肉のためのタンパク質量(g/kg)ISSN ポジションスタンド(2017)
維持カロリーMifflin–St Jeor, Am J Clin Nutr(1990)
BMI区分世界保健機関(WHO)
体脂肪率の目安American Council on Exercise
FFMIの基準査読論文

効いたのは2点。出典が見つけやすいこと(埋もれさせない)と、アプリを「推定を返すフィットネス/ウェルネス」として位置づけ、非医療の免責を常時出したこと。(前段では「診断」「処方」等の医療語も指摘され、これは「分析」「プラン」に中立化済みでした。)

提出前に自分で見つけた"3回目の芽"

2回食らって、当てずっぽうをやめ、提出前フル監査をしました。すると3回目になりかねない漏れが出た——プライバシーポリシーにApple Healthの記載が無い。アプリはHealthKit(体重・体脂肪・歩数・睡眠・安静時心拍)を読むのに、ポリシーは写真しか触れていなかった。読み取り専用(書き込みしない)・端末内保持・週平均のみAIへ・販売/広告利用なしの節を追加しました。

監査は細かい地雷も拾いました。「(開発)」表記のリセットボタン(→「すべてのデータを削除」に改名)と、内部の「採点エンジン」デバッグ行(本番で非表示に)。小さいですが、審査員には"未完成"に見えます。

フィットネスアプリを作る人へ(教訓)

この話の主役アプリ

Bodilab AI は写真1枚から体脂肪・筋肉を推定し、「その努力、効いてる?」に答えます。体組成の数値は推定であり、医療診断ではありません。

Download on theApp Store

よくある質問

健康系アプリが1.4.1でリジェクトされる理由は?

健康・医療の推奨や計算を出典なしで表示するためです(今回はオンボの体重予測とコーチの数値)。対処は、各数値の出典(NIH・WHO・ACE・査読論文)をまとめたページを作り、見つけやすい複数箇所からリンクすること。

5.1.1(iv)のカメラフローは何を直した?

事前ボタンを「カメラを許可」→「続ける」に、拒否後の自動Settings遷移を廃止、恒久拒否時だけユーザー主導の「設定を開く」を表示。ライブラリ導線は常時併設。

HealthKitはポリシーに書く必要がある?

あります。読み取り専用(書き込みしない)・端末内保持・週平均のみAIへ・販売/広告利用なし、と明記しました。

再審査はOTAで足りる?

新ビルドに焼き込んで提出する方が確実です。審査は提出バイナリをテストするため、OTAは届かない可能性があります。

本記事は、あるアプリのApp Store審査の実体験の記録であり、ガイドラインの解釈や結果はアプリによって異なります。法的助言ではありません。Bodilab AIの体組成の数値は推定であり、医療診断ではありません。