Bodilab AIブログ / 女性向け

更年期の体型・体組成の変化と、向き合い方|お腹に脂肪がつきやすくなる理由

女性向け · 2026年9月11日更新
結論

更年期(閉経の前後およそ5年ずつ、計約10年)には、体重がほとんど変わらなくても体脂肪の「配分」が変わります。米国の大規模コホートSWAN研究(Greendale et al., 2019, JCI Insight)では、閉経移行期の約3.5年間に体脂肪量が年およそ1.7%増、除脂肪量が年およそ0.2%減、閉経後およそ2年でこのペースは鈍化しました。脂肪は腰・太もも(皮下)からお腹(内臓)へ寄りやすくなり、骨密度は閉経後5〜7年で最大20%程度減ることがあります(北米閉経学会・NAMS等の目安)。気づきの目安は「体重±1kg以内なのにウエスト+3cm以上」(経験則)、警戒ラインはウエスト90cm以上(特定健診)/ウエスト身長比0.5以上(英国NICE)。対処は「40代からの筋トレとたんぱく質 → 閉経前後の月1回計測 → 婦人科でHRT・DEXA相談」の段階制です。体組成の測定値は推定であり、医療診断ではありません。

Key takeaways
  • 更年期の変化は「量」より「配置」。閉経移行期に体脂肪量は年約1.7%増、除脂肪量は年約0.2%減(SWAN研究)。
  • お腹に寄るのはエストロゲン低下のため。閉経に移行した女性だけCTの内臓脂肪が有意に増えた(Lovejoy 2008)。
  • 骨の減少は閉経「後」ではなく閉経の1〜2年前から始まる(SWAN, Finkelstein 2008)。
  • 「体重±1kg以内・ウエスト+3cm以上」が配分変化のサイン(経験則)。ウエスト90cm以上は受診相談の目安。
  • 対処は4段階:40代の予防 → 移行期の月1回計測 → 閉経後2年以内の強化 → 婦人科でHRT/DEXA相談。

更年期とは、閉経(12か月連続で月経がない状態)をはさむ前後およそ5年、合計10年ほどの期間を指します(日本人女性の閉経の平均年齢は50歳前後、日本産科婦人科学会)。体組成とは、体重を「体脂肪量」と「除脂肪量(筋肉・骨・水分など)」に分けた内訳のことで、体重計はこの内訳を教えてくれません。以下、次の行動を決めるための研究の数値と段階別の目安をまとめます。

更年期になると体型はどう変わりますか?(早見表)

更年期には「体脂肪の配分」「体脂肪量」「除脂肪量」「骨密度」の4つが同時に動き、体重計に映るのは体脂肪量と除脂肪量の差し引きだけです。

変化報告されている目安出典・位置づけ
体脂肪の配分腰・太もも(皮下)→ お腹(内臓)へ寄りやすい。閉経に移行した女性のみCT内臓脂肪が有意に増加Lovejoy et al., 2008(Int J Obes, 追跡研究)
体脂肪量閉経移行期(約3.5年)に年およそ+1.7%、累計約+6%。閉経後約2年で鈍化SWAN研究 Greendale et al., 2019(JCI Insight, DXA)
除脂肪量同期間に年およそ−0.2%、累計約−0.7%。加齢単独では30歳以降10年で3〜8%減が目安SWAN研究(同上)/一般的な目安
骨密度閉経後5〜7年で最大20%程度減ることがある。減少は閉経の1〜2年前(移行期後期)から始まるNAMS等の目安/SWAN Finkelstein et al., 2008(JCEM)
エネルギー消費除脂肪量で調整した総消費は20〜60歳で横ばい、60歳以降に年約0.7%減。更年期特有の「代謝の崖」は確認されていないPontzer et al., 2021(Science, 二重標識水法)

※ 集団の平均・公的機関の目安であり、個人の実測値ではありません。SWAN研究は米国のコホートで、日本人女性でペースが同一とは限りません。

なぜ更年期にお腹まわりに脂肪がつきやすくなるのですか?

エストロゲンが脂肪を皮下(腰・太もも)に配分しやすくする働きを持つと考えられており、閉経が近づいて分泌が減ると、脂肪が内臓まわり(お腹)に集まりやすい配分に変わるためです。Lovejoyら(2008)の4年間の追跡では、閉経へ移行した女性だけでCTで測った内臓脂肪が有意に増え、睡眠時のエネルギー消費も低下したと報告しています。いわゆる「洋なし型」から「リンゴ型」への移行で、見た目の違いは内臓脂肪が多い見た目の特徴で解説しています。

正直に言うと、体重計は「引っ越し」を教えてくれません——荷物の量(体脂肪の総量)が同じで、置き場所が腰からお腹に変わっただけ、ということが更年期にはよく起こります。

体重は変わらないのに体型が変わるのはなぜですか?(数値例)

体脂肪が増えた分と除脂肪量が減った分が打ち消し合い、体重の変化がほぼゼロに見えるからです。SWAN研究の平均ペースを、体重50kg・体脂肪率28%の人に当てはめます。

項目移行期の前約3.5年後(SWAN平均ペース)運動なし・たんぱく質不足で加速した場合(仮定)
体脂肪量14.0kg約14.8kg(+6%)16.0kg
除脂肪量36.0kg約35.7kg(−0.7%)34.0kg
体重50.0kg約50.5kg50.0kg
体脂肪率28.0%約29.3%32.0%

平均ペースでも体重は+0.5kg前後しか動かないのに、体脂肪率は約1.3ポイント上がる計算です。右列のように筋トレもたんぱく質もない状態で除脂肪量が2kg落ちると、体重はぴったり同じで体脂肪率が4ポイント上がります。脂肪がお腹へ寄っていれば、ウエストのボタンだけがきつくなり、二の腕や太ももはむしろ細くなるのが典型的なサインです。

※ 左2列はSWAN研究の平均変化率を仮の初期値に当てはめた計算例、右列は説明用の仮定値です。実測データではありません。

更年期に筋肉量はどれくらい減りますか?

閉経移行期の除脂肪量の減少は年およそ0.2%(SWAN研究)で、加齢単独の目安(30歳以降10年で3〜8%)を足しても、体脂肪の増加ペースより一桁小さい数字です。「更年期で筋肉がごっそり落ちる」は平均像としては正しくなく、落ちるのは主に筋トレとたんぱく質が足りない場合です。エストロゲン低下で同じ刺激への反応が鈍る可能性はありますが、それは「以前より多めの刺激と栄養が要る」という意味で、「効かない」ではありません。また「更年期で代謝が落ちる」は主に除脂肪量と活動量の低下を通じた変化です。Pontzerら(2021, Science)の約6,400人の解析では、除脂肪量で調整した総エネルギー消費は20〜60歳で横ばいで、閉経の年齢に「代謝の崖」はありませんでした(用語は除脂肪体重と体重の違い参照)。

更年期は骨密度にどう影響しますか?

閉経後の5〜7年程度で骨密度の最大20%程度を失うことがあり(北米閉経学会・NAMS等の目安)、しかも減少は閉経後ではなく閉経の1〜2年前から始まります。SWAN研究の骨密度解析(Finkelstein et al., 2008)では、腰椎・大腿骨頸部の減少が「閉経移行期後期」(月経が60日以上空き始める時期)から加速していました。骨密度は体重計・体組成計・写真のいずれにも映らないので、婦人科や整形外科でのDEXA骨密度検査が唯一の確認手段です。筋トレは骨に負荷をかけ骨密度の維持に役立つとされ、閉経を待たずに始める理由になります。

「配分の変化」に気づくための目安(しきい値)は?

月1回・同じ条件で測ったウエストが、体重±1kg以内なのに3cm以上増えていれば、配分の変化を疑う目安です。経験則であり検査値ではありませんが、体重計だけでは拾えないサインです。公開基準と合わせると3段階になります。

段階目安位置づけ
気づき体重±1kg以内なのにウエスト+3cm以上(3か月以内)経験則(本記事の目安)
生活を見直すウエスト身長比0.5以上、または体組成計の内臓脂肪レベル10以上英国NICE/オムロン区分
受診を相談ウエスト90cm以上(女性)、または内臓脂肪レベル15以上特定健診基準(厚生労働省)/オムロン区分

ウエストは朝・排尿後・へその高さ・息を吐いた後の同条件で測ります。ウエスト身長比の計算はウエスト身長比の目安と計算方法、内臓脂肪レベルの読み方は内臓脂肪レベルの目安を参照してください。

更年期の体型変化にどう向き合えばいい?(段階別)

「対処するか、しないか」の二択ではなく、時期と測定値に応じて4段階で強度を上げるのが現実的です。

時期・状態の目安やること数値の目安
① 40代・閉経前(月経は規則的)予防。週2〜3回の筋トレ、たんぱく質の確保、ウエスト・体組成の基準点を記録たんぱく質 体重1kgあたり1.2g以上、筋トレ中なら1.4〜1.6g(ISSN 2017)
② 閉経移行期(月経が不規則・60日以上空く)記録強化。月1回の同条件計測を習慣化。骨の減少が始まる時期なので筋トレを切らさないウエストと体脂肪率の推移を3か月単位で比較
③ 閉経後2年以内(配分が最も動く窓)強化。減量するなら緩やかに、たんぱく質はレンジの上側へ。有酸素運動と筋トレを併用減量は週0.5〜1%以内(Helms 2014)、たんぱく質1.6〜2.2g/kg。ウエスト+3cm・体脂肪率+2ポイントで見直し
④ 症状が強い/骨密度が心配/ウエスト90cm以上受診。婦人科でHRT・DEXA骨密度検査を相談NAMS 2022:60歳未満または閉経後10年以内で症状があればHRTの利益がリスクを上回ることが多い

減量中の人が③で最初に見直すべきなのは食事量の削減幅ではなく、たんぱく質の下限と筋トレの継続です。閉経後2年の窓で除脂肪量を削ると、戻す難易度が上がります。具体的な量はたんぱく質は1日何g必要かにまとめています。どの段階でも最初の一歩は今の状態を記録して基準点を作ることです。

ホルモン補充療法(HRT)で体型は変わりますか?

HRTは更年期症状の緩和を目的とした治療で、痩せ薬ではありませんが、脂肪の再配分と骨密度の低下を緩やかにする効果は報告されています。Salpeterら(2006, Diabetes Obes Metab)のメタ分析では、HRTを受けた閉経後女性は腹部脂肪が約7%少なく、インスリン抵抗性の指標も改善していました。一方で乳がんの既往や血栓症など向き不向きがあり、北米閉経学会(NAMS)の2022年見解は「60歳未満または閉経後10年以内で症状のある女性では利益がリスクを上回ることが多い」としつつ個別判断を前提にしています。HRTの適応・用量・継続は、自己判断せず必ず婦人科医に相談してください。

更年期の体組成の変化を確認する方法は?

ウエスト周囲径を軸に、体組成計と写真AIで補い、骨密度だけは医療機関のDEXAで確認する組み合わせが現実的です。

手段分かること手軽さ
メジャー(ウエスト)ウエスト周囲径の推移。公開基準(女性90cm以上、特定健診)と直接照合できる◎道具ほぼ不要
スマート体組成計
オムロン/タニタ
内臓脂肪レベル・体脂肪率の推移(乗るだけ)◎毎日
写真AIアプリ
Bodilab AI
体脂肪率・見た目の変化を推定=配分の変化を写真で追える◎道具なし・週1
婦人科・整形外科(DEXA等)骨密度・体組成を高精度に測定×受診・節目のみ

※ 写真AIの体脂肪推定は、研究条件下でDEXA比 平均2〜3ポイント程度の誤差という報告があります(出典:arXiv smartphone body-composition study)。開示:本記事はBodilab AIの運営が書いています。

日々の推移は自宅、節目の骨密度は医療機関という役割分担が現実的です。体脂肪率が見た目でどの段階かは体脂肪率の見た目・無料ツールで確認でき、年代別の健康的レンジ(40〜59歳の女性で23〜34%、Gallagher 2000)は体脂肪率の年代別平均に、アプリの比較は女性向け 体組成アプリ おすすめにあります。

お腹まわり、変わってきてる?毎週おなじ1枚で答え合わせ。

Bodilab AI は、撮るだけで体脂肪率と見た目の変化をAIが推定。体重の数字だけでは気づけない「配分の変化」を、毎週の推移で確認できます。体組成の測定値は推定であり、医療診断ではありません。

Download on theApp Store

更年期の体型についてよくある質問は?

更年期になると体型はどう変わりますか?

体重がほとんど変わらなくても、体脂肪の配分が腰・太もも中心からお腹(内臓脂肪)中心へ変わりやすくなります。米国の大規模コホートSWAN研究(Greendale et al., 2019)では、閉経移行期の約3.5年間に体脂肪量が年およそ1.7%増え、除脂肪量が年およそ0.2%減り、閉経後およそ2年でこのペースは鈍化しました。あわせて骨密度が閉経後5〜7年で最大20%程度減ることがあります(NAMS等の目安)。

なぜ更年期にお腹まわりに脂肪がつきやすくなるのですか?

エストロゲンには脂肪を皮下(腰・太もも)に配分しやすくする働きがあると考えられており、閉経が近づいて分泌が減ると、脂肪が内臓まわり(お腹)に集まりやすい配分に変わるためです。Lovejoyら(2008, Int J Obes)の追跡研究では、閉経に移行した女性のみCTで測った内臓脂肪が有意に増え、睡眠時のエネルギー消費も低下しました。体脂肪の総量が増えていなくても、この配分の変化は起こりえます。

更年期に筋肉量はどれくらい減りますか?

加齢単独では30歳以降10年で3〜8%程度の減少が一般的な目安で、SWAN研究では閉経移行期に除脂肪量が年およそ0.2%減っていました。減少幅は体脂肪の増加(年約1.7%)より一桁小さい一方、運動習慣とたんぱく質摂取量で大きく変わります。週2〜3回の筋トレと体重1kgあたり1.2〜1.6gのたんぱく質が維持の目安です。

更年期は骨密度にどう影響しますか?

閉経後の5〜7年程度で骨密度の最大20%程度を失うことがあるとされます(北米閉経学会・NAMS等が紹介する目安)。骨の減少は閉経後ではなく、閉経の1〜2年前の「閉経移行期後期」から始まることがSWAN研究(Finkelstein et al., 2008)で報告されています。骨密度は体重計にも写真にも映らないため、気になる場合は婦人科・整形外科でのDEXA検査が確認手段です。

体重は変わらないのに体型が変わるのはなぜですか?

更年期の変化は「量」より「配置」の変化だからです。体重50kg・体脂肪率28%の人にSWAN研究の平均ペースを当てはめると、約3.5年で体脂肪量は14.0kg→約14.8kg、除脂肪量は36.0kg→約35.7kg、体重は+0.6kg前後しか動かないのに体脂肪率は約29%になります。同時に脂肪がお腹へ寄れば、体重計は同じままウエストだけがきつくなります。

更年期の体型変化にどう対処すればいいですか?

時期と状態に応じて段階的に対処します。40代・閉経前は週2〜3回の筋トレと体重1kgあたり1.2〜1.6gのたんぱく質で予防し、月経が乱れ始める閉経移行期には月1回のウエスト・体組成の計測を習慣にし、閉経後2年以内はウエスト+3cm以上や体脂肪率+2ポイント以上の変化で食事・運動を強化し、症状が強い・骨密度が心配・ウエスト90cm以上なら婦人科でHRTやDEXAを相談します。

ホルモン補充療法(HRT)で体型は変わりますか?

HRTは更年期症状の緩和を目的とした治療で、痩せ薬ではありません。ただしSalpeterら(2006)のメタ分析では、HRTを受けた閉経後女性で腹部脂肪が約7%少なかったと報告され、骨密度の低下を緩やかにする効果も知られています。北米閉経学会(2022年見解)は、60歳未満または閉経後10年以内で症状のある女性では利益がリスクを上回ることが多いとしますが、乳がん既往・血栓症などで向き不向きがあるため、婦人科医の判断が必要です。

更年期の体組成の変化はどうやって確認すればいいですか?

月1回・同じ条件(朝・排尿後・へその高さ)で測るウエスト周囲径を軸に、体組成計の内臓脂肪レベル・体脂肪率、写真AIアプリでの見た目の推移を組み合わせます。写真AIの体脂肪推定は研究条件下でDEXA比 平均2〜3ポイント程度の誤差という報告があります。骨密度だけは自宅で測れないため、婦人科・整形外科のDEXA検査が必要です。数値は推定であり医療診断ではありません。

本記事の内容は一般的な情報であり、個人差があります。研究で示された数値は目安・レンジであり、必ず同じ経過をたどるとは限りません。更年期症状・ホルモン補充療法(HRT)・骨密度低下などの診断・治療は、自己判断せず必ず医師(婦人科等)にご相談ください。体組成(体脂肪率・内臓脂肪等)の測定値は推定であり、医療診断ではありません。