除脂肪体重とは|計算方法・平均・増やし方をわかりやすく解説
除脂肪体重(LBM:Lean Body Mass)は、体重から脂肪を除いた重さ——筋肉・骨・内臓・水分の合計です。計算式は 除脂肪体重(kg)=体重×(1−体脂肪率)。たとえば体重70kg・体脂肪率20%なら 70×0.80=56kg。目安は成人男性で体重の約75〜85%、女性で約65〜75%(性差の大きい rule of thumb で、ラボ実測値ではありません)。ダイエットで本当に守るべきはこの数字です。減量ペースを週あたり体重の0.5〜1%以内に抑え、たんぱく質を体重1kgあたり1.6〜2.4g摂り、筋トレを続けると、失う重さのうち筋肉の割合を抑えられます(Garthe 2011・Helms 2014 の知見)。
- 除脂肪体重=体重×(1−体脂肪率)。体重70kg・体脂肪率20%なら56kg。
- 目安は男性が体重の75〜85%、女性が65〜75%(性差の大きい目安値)。
- 減量は週0.5〜1%まで。速いほど失う重さの筋肉比率が上がる(Garthe 2011)。
- 減量中のたんぱく質は体重1kgあたり1.6〜2.4g(除脂肪1kgあたりなら2.3〜3.1g/Helms 2014)。
- 厳密には除脂肪体重(LBM)は必須脂肪(男性約2〜3%)を含み、脂肪ゼロの除脂肪量(FFM)とは少し違う。
「体重は減ったのに、なんだかたるんで見える」——それは、減ったのが脂肪ではなく筋肉だったのかもしれません。体重という1つの数字は、脂肪と筋肉を区別してくれません。そこで見るべきなのが除脂肪体重です。この記事では、意味・計算・平均の目安・減量中に減らさない具体的な数値基準までを、出典を示しながら解説します。
除脂肪体重(LBM)とは何ですか?
除脂肪体重(LBM:Lean Body Mass)とは、体重から脂肪を除いた重さのすべて——筋肉・骨・内臓・血液・水分など——を指します。ボディメイクでは、この中の筋肉量の変化を追う目安として使われ、脂肪量(=体重−除脂肪体重)とセットで見ると体の"中身"がはっきりします。
ここで1つ、多くの記事が書かない事実を。LBM(除脂肪体重)と FFM(Fat-Free Mass/除脂肪量)は、厳密には同じではありません。LBMは細胞膜や骨髄などに含まれる必須脂肪(男性で体重の約2〜3%、女性で約5〜12%とされる)を"体の一部"として含みます。一方FFMは脂肪を完全にゼロと定義します。日常やアプリ表示では両者はほぼ同義に扱われますが、正確には除脂肪体重のほうがわずかに大きくなります。
除脂肪体重はどうやって計算しますか?
最も簡単なのは体脂肪率から逆算する方法で、除脂肪体重(kg)=体重×(1−体脂肪率) です。
- 除脂肪体重(kg) = 体重 ×(1 − 体脂肪率)
- 体脂肪量(kg) = 体重 − 除脂肪体重
ワークド例:体重70kg・体脂肪率20%の場合——除脂肪体重は 70×0.80=56kg、体脂肪量は 70−56=14kg。この人が体脂肪率を12%まで落とし、除脂肪体重56kgをそのまま守れたなら、目標体重は 56÷(1−0.12)=約63.6kg。つまり落とすべきは約6.4kg、そのすべてが脂肪という計算になります。
体脂肪率が分からないときは、身長と体重から推定するBoer式(Boer P, 1984)が使えます。
- 男性:除脂肪体重 = 0.407×体重(kg) + 0.267×身長(cm) − 19.2
- 女性:除脂肪体重 = 0.252×体重(kg) + 0.473×身長(cm) − 48.3
先ほどの70kg・身長175cmの男性でBoer式を使うと、0.407×70+0.267×175−19.2=約56.0kg。体脂肪率20%から求めた56kgとほぼ一致します。ただしBoer式は身長・体重だけの推定なので、鍛えている人・脂肪の多い人ではズレます。体脂肪率が測れるなら、そちらを使うほうが正確です。体脂肪率・身長・体重を入れれば FFMI計算機(無料) でも除脂肪体重が同時に出せます。
除脂肪体重の平均や目安はどのくらいですか?
一律の平均値はなく、成人男性は体重の約75〜85%、女性は約65〜75%が除脂肪の目安です。女性は生理的に必須脂肪が多いため、同じ体格でも除脂肪の割合は男性より低く出ます。
| 性別 | 除脂肪体重の目安 (体重に占める割合) | 一般的な体脂肪率 (ACE分類) |
|---|---|---|
| 成人男性 | 約75〜85% | 平均 18〜24% / フィットネス 14〜17% |
| 成人女性 | 約65〜75% | 平均 25〜31% / フィットネス 21〜24% |
体脂肪率の区分は American Council on Exercise(ACE)の一般的なカテゴリを参照。除脂肪割合はそれをもとにした目安値で、ラボの実測統計ではなく rule of thumb(経験則) です。
大切なのは他人や平均と比べることより、自分の除脂肪体重が維持・増加しているかを追うこと。身長差を補正して比較したいときは、除脂肪体重を身長(m)²で割った FFMI(除脂肪量指数) を併用すると立体的に見えます。
なぜ体重より除脂肪体重を見るべきですか?
体重は脂肪と筋肉を区別しないため、同じ「−2kg」でも中身がまるで違うからです。下の表のように、理想は除脂肪を守って脂肪だけを減らすことですが、やり方を誤ると筋肉ごと削れてしまいます。
| ケース | 体重の変化 | 中身 | 体脂肪率 | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| 脂肪が減った | −2kg | 除脂肪 維持・脂肪 −2kg | 下がる | ◎ 理想的 |
| 筋肉も落ちた | −2kg | 除脂肪 −1.5kg・脂肪 −0.5kg | ほぼ横ばい | △ 見た目が緩む |
| ほぼ水分だけ | −2kg | 除脂肪 −1.8kg(水分)・脂肪 −0.2kg | むしろ上がる | × ぬか喜び |
体重計だけを見ていると、この3つを区別できません。除脂肪体重と体脂肪率の推移を追えば、いま自分がどの減り方をしているかが分かり、手遅れになる前にやり方を軌道修正できます。「体重が落ちたのに見た目が変わらない」は、たいてい2番目か3番目のパターンです。
ダイエット中に除脂肪体重を減らさないにはどうすればいいですか?
減量ペースを週あたり体重の0.5〜1%以内に抑え、たんぱく質を体重1kgあたり1.6〜2.4g摂り、筋トレを続けることが3本柱です。これは根性論ではなく、数値で運用できます。
| 項目 | 目安の数値 | 体重70kgでの具体値 | 出典・区分 |
|---|---|---|---|
| 減量ペース | 週に体重の0.5〜1% | 週 0.35〜0.7kg | Garthe 2011 ほか(経験則) |
| たんぱく質 | 体重1kgあたり1.6〜2.4g (除脂肪1kgあたり2.3〜3.1g) | 112〜168g/日 | Helms 2014/ISSN 2017 |
| 筋トレ頻度 | 週2回以上 | 全身×2〜3回 | 経験則・一般的推奨 |
ペースの根拠:Garthe(2011)の研究では、アスリートを週0.7%減の"遅い減量"と週1.4%減の"速い減量"に分けたところ、遅い群のほうが除脂肪(筋肉)を守れ、むしろわずかに増やしたのに対し、速い群は除脂肪の増加が乏しかったと報告されています。速く落とすほど、失う重さに占める筋肉の割合が上がる——これが、極端な断食が逆効果になる理由です。
たんぱく質の根拠:Helms(2014/J Int Soc Sports Nutr)は、減量中で体脂肪が少ない人ほど除脂肪1kgあたり2.3〜3.1gまで引き上げると筋肉を守りやすいとしています。ISSN(国際スポーツ栄養学会, 2017)の一般推奨は体重1kgあたり1.4〜2.0g。迷ったら「体重×2g」を1日の下限の目安にすると外しにくいです(これは厳密なラボ値ではなく実務上の目安)。
段階的な判断の目安(false binary を避ける):
- 体重が週0.5%以下しか減らない→ ほぼ確実に脂肪主体。このまま継続でOK。
- 週0.5〜1%減で、筋トレの重量が保てている→ 良好な減量。除脂肪はおおむね維持できている。
- 週1%超が続き、扱う重量が落ち、体脂肪率が下がらない→ 減らしすぎのサイン。ペースを緩めるか食事とたんぱく質を増やす。
使える閾値(rule of thumb):「除脂肪体重が2週続けて明確に下がったら、それは減量が速すぎるという合図」。逆に増量期は「1ヶ月で体重が1%以上増えたら、増えた分の多くは脂肪の可能性が高い」——筋肉の増加は初心者でも月0.5〜1kg程度が現実的な上限です。
正確な線引きが知りたい人は、リーンバルクで脂肪が増えていないか確認する方法や、増量・減量を同時に狙うボディリコンプ(体組成改造)の考え方もあわせてどうぞ。
除脂肪体重を手軽に把握するには?
除脂肪体重の計算には体脂肪率が必要ですが、それを毎回自分で測って計算するのは大変です。写真AIアプリなら、鏡の前で1枚撮るだけで体脂肪率・除脂肪量・FFMIまでまとめて推定でき、毎週の推移を自動で追えます。脂肪を落としながら筋肉を守れているか——体重計では見えない"中身"の変化がひと目で分かります。
ただし正直に言えば、写真AI・体組成計・DEXAを問わず、家庭で測る体組成はすべて推定値です。単発の絶対値の正確さより、同じ条件で撮り続けたときの推移(トレンド)のほうが減量・増量の判断には役立ちます。この点で、手間なく毎週同条件で追える写真AIは相性が良い方法です。体脂肪率を自宅で測る方法の比較も参考にしてください。
毎週おなじ1枚で、除脂肪量も体脂肪も。
Bodilab AI は、撮るだけで体脂肪・除脂肪量・FFMIをAIが推定。脂肪を落として筋肉を守れているか、毎週追えます。
Download on theApp Storeよくある質問
除脂肪体重とは何ですか?
体重から脂肪を除いた重さ(筋肉・骨・内臓・水分の合計)です。筋肉量の変化を追う目安になります。厳密には必須脂肪を含むため、脂肪ゼロの除脂肪量(FFM)とはわずかに違います。
除脂肪体重はどうやって計算しますか?
除脂肪体重=体重×(1−体脂肪率)。体脂肪量は体重−除脂肪体重で求まります。体脂肪率が不明なら、身長と体重からのBoer式(男性:0.407×体重kg+0.267×身長cm−19.2)でも推定できます。
除脂肪体重の平均や目安はどのくらいですか?
成人男性は体重の約75〜85%、女性は約65〜75%が目安(性差の大きい経験則)。絶対値より自分の推移を見ます。
ダイエット中に除脂肪体重を減らさないにはどうすればいいですか?
減量を週0.5〜1%以内に抑え、たんぱく質を体重1kgあたり1.6〜2.4g摂り、筋トレを続けます(Garthe 2011・Helms 2014)。
体重が減ったのに見た目が緩むのはなぜですか?
減った重さの中身が脂肪ではなく筋肉や水分だった可能性が高いです。体脂肪率が横ばい・上昇していないか、除脂肪体重の推移で確認しましょう。
除脂肪体重とFFMIは何が違いますか?
除脂肪体重はkgそのもの、FFMIはそれを身長(m)²で割った指数(FFMI=除脂肪体重÷身長m²)です。身長の違う人と比べたいときはFFMIを使います。
除脂肪体重は1ヶ月でどれくらい増やせますか?
筋肉の増加は初心者でも月あたり体重の約1%(0.5〜1kg程度)が現実的な上限で、経験者ほど遅くなります。急に数kg増えた分は水分や脂肪が中心です。
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